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【議会報告】


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初めての一般質問:

地域包括ケアとケアラー支援について

こんにちは、川越市議会議員のくらしま真史です。令和3年2月定例会で、私は初めての一般質問に立ちました。テーマは「地域包括ケアの推進におけるケアラー支援」です。

高齢化が進む中、介護を担う家族や地域の方々(ケアラー)をどう支えるかは、これからのまちづくりに欠かせない課題です。ここでは、質疑の内容と見えてきた課題を、市民の皆さまにわかりやすくご報告します。

なぜケアラー支援が必要なのか

介護保険制度が始まって20年以上、川越市でも「地域包括ケアシステム」の整備が進んできました。これは、医療・介護・住まい・生活支援を一体的に提供し、住み慣れた地域で暮らし続けられる仕組みです。

しかし、実際に介護の中心を担っているのは依然として家族です。

  • 全国調査では、主な介護者の約7割が家族

  • 川越市の調査でも、「家族介護者の支援策を充実してほしい」が32.5%

  • 「自宅で過ごすことを希望しない理由」の約9割が「家族に負担をかけるから」

支援が不十分なままでは、介護する人の心身や生活への負担は大きく、次のような影響が広がります。

  • 心身の健康悪化 → 医療・介護費の増加

  • 生活費負担増・低所得化 → 生活保護費の増加

  • 仕事を辞める・就職できない → 労働力不足・税収減

  • 結婚や子育ての制約 → 少子化の加速

  • 学業への影響 → 若者の進学・就職機会の減少

介護を担う人=ケアラーを支えることは、本人のためだけでなく、社会全体の持続性にも直結しています。

川越市と埼玉県の現状

今回の質問では、次の点を市に確認しました。

  1. 地域包括ケアの目的と、公助(行政)の役割

  2. ケアラー(無償)とケアワーカー(有償介護職)の違い

  3. 全国初の「埼玉県ケアラー支援条例」(令和2年施行)の内容

  4. 川越市におけるケアラー支援の現状と実態調査の有無

市の答弁は次のとおりです。

  • 地域包括ケアは、高齢者が住み慣れた地域でその人らしく暮らし続けるための体制であり、自助・互助・共助・公助の連携が重要。

  • ケアラーは無償で介護する家族や友人等、ケアワーカーは有償の介護職員

  • 埼玉県ケアラー支援条例は、ケアラーやヤングケアラーが孤立しない社会を目指し、県・市町村・県民の役割を明確化。

  • 川越市独自の条例や実態調査はまだないが、支援の必要性は認識している。

  • 現在の市の取組は、認知症家族介護教室・オレンジカフェ・介護マーク配布など、主に「自覚のあるケアラー」向けが中心。

見えてきた課題と私の提案

質疑を通して、次の課題が明らかになりました。

  • 川越市ではケアラーの人数や実態を把握できていない

  • 支援策は限定的で潜在的ケアラーやヤングケアラーには届きにくい

  • 今後ケアラーは増えるが、準備は十分でない

私は次のような対応を提案しました。

  1. 既存調査を活用したケアラー実態の把握

  2. 「支援者への支援」を組み込んだ地域包括ケアの推進

  3. 埼玉県ケアラー支援計画との連携強化

ケアラーは地域包括ケアを支える大切な存在です。本人が声を上げられない場合も多く、周囲からの気づきと支援が不可欠です。

今後に向けて

市は、今後策定される埼玉県ケアラー支援計画や県の動向を踏まえ、庁内で情報共有を進めながら支援策を検討していくと答弁しました。

誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるまちをつくるには、介護を受ける人だけでなく、介護を担う人も支える視点が欠かせません。

川越市が**「支える人も支えられるまち」**となるよう、今後も議会で取り上げてまいります。

 
 
 

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