【議会報告】2040年問題と川越市の介護予防のこれから
- 真史 倉嶋
- 8月1日
- 読了時間: 3分
こんにちは、川越市議会議員の倉嶋真史です。今回は、令和3年6月定例会で行った私の一般質問「2040年問題における介護予防の取組み」について、ご報告します。
2040年問題とは?
国立社会保障・人口問題研究所によると、2040年問題とは、人口構成の変化によって社会のさまざまな分野に課題が生じることを指します。
労働力人口の大幅減少
老朽化したインフラの増加
子育て・教育・医療・介護・公共交通・防災・産業などへの影響
特に深刻なのは、現役世代の減少です。2040年には15歳~64歳の現役世代が2025年の7,170万人から5,978万人に減り、約1,200万人の減少が見込まれています。
介護・福祉分野では、必要な人材253万人に対して供給は215万人程度とされ、約38万人の人材不足が予測されています。
国は次の4つの対応を重点課題としています。
多様な就労・社会参加の環境整備
健康寿命の延伸
医療・福祉サービス改革による生産性向上
社会保障の持続可能性確保(給付と負担の見直し)
私はこの中で、高齢者の社会参加と介護予防に焦点を当て、川越市の取組について質問しました。
川越市の現状と課題
市の答弁によると、2040年に川越市の「高齢化率は32.3%」に達すると見込まれています。
要介護認定者は今後増加
介護を支える人口は減少
介護保険料の上昇も懸念
特に、福原・霞ケ関北・川鶴地区では高齢化率35%超が予測され、課題の顕在化が早いことが懸念されています。
また、65歳以上の人口は次のように推移する見込みです。
2021年:95,114人
2030年:100,636人
2040年:112,572人(約1万7千人増加)
この増加する高齢者が、地域で社会参加しながら健康寿命を延ばせるかどうかが、今後の大きなポイントです。
川越市の介護予防の取組み
川越市では、地域包括支援センターを中心に、以下のような介護予防事業が行われています。
いもっこ体操の普及
先導者を養成し、自治会館などで体操教室を実施
出前講座・短期集中プログラム
理学療法士等による運動・栄養・口腔機能改善指導
普及啓発活動
認知症予防教室、介護予防講演会の開催
介護支援いきいきポイント事業
施設でのボランティア活動によりポイントが貯まる制度
効果としては、体力向上や転倒予防だけでなく、外出機会の増加・仲間づくり・生きがいづくり・閉じこもり防止・認知症予防にもつながっています。
一方で、取組開始から12年が経過し、先導者自身の高齢化や活動継続の難しさが課題となっています。有償化など、継続性を高める仕組みづくりが必要です。
シルバー人材センターと農福連携の可能性
高齢者の社会参加の場として、シルバー人材センターがあります。
経験や能力を活かして働くことで生きがいを実感
身体機能の維持や閉じこもり防止につながる
地域貢献も果たせる
さらに私は、【農業と福祉をつなぐ「農福連携」】にも注目してい

ます。
農業体験や市民農園の活用
障害者・高齢者の社会参加、生きがいづくり
川越市でもサツマイモ栽培の取組事例あり
課題は、農作業の安全確保や技術習得の負担、不安を解消するマッチング体制の不足です。市も、農業体験・市民農園の活用促進とともに、高齢者による農福連携の可能性を調査研究すると答えました。
まとめと今後の方向性
今回の議会質問を通じて、次のポイントを改めて確認しました。
高齢者増加に伴い、介護予防はますます重要
社会参加の多様化が健康寿命の延伸につながる
農業体験やシルバー人材センターなど地域資源を活かせる余地が大きい
持続可能な仕組み(有償化やマッチング体制)の検討が必要
川越市が「支える人も支えられるまち」になるよう、今後も議会で取り上げ、実現に向けて取り組んでまいります。
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