【議会報告】地域の安全を守る「防犯のまちづくり」~自主防犯活動の現状とこれから~
- 真史 倉嶋
- 8月1日
- 読了時間: 3分
こんにちは、川越市議会議員のくらしま真史です。今回は、令和3年9月定例会で取り上げた一般質問「防犯のまちづくり」について、ご報告します。
コロナ禍で見えた地域防犯の課題
新型コロナウイルスの影響で、夜間の人出が大幅に減少しました。地域の皆さんからは、
「夜道が暗くて不安」
「人通りが少なく防犯面で心配」
といった相談が多く寄せられました。
川越市では、第四次総合計画において「防犯意識の高揚と防犯体制の整備」を掲げ、市民が安心して暮らせるまちづくりを目指しています。その中核となるのが、川越市防犯のまちづくり基本方針です。
この方針には、次の2つが重要事項として明記されています。
ソフト・ハードの両面から犯罪を起こさせない地域環境づくり
「自分のまちは自分たちで守る」という防犯意識の高揚
私は今回、この方針に基づく自主防犯活動の現状と課題を中心に、市の考えを質しました。
川越市の防犯の取り組みと成果
市の答弁によると、川越市は平成16年に防犯基本方針を策定。背景には、当時全国的に刑法犯が増加傾向にあり、行政と地域が連携した防犯強化が求められた社会状況がありました。
方針に基づく取組は次のようなものです。
防犯メールやキャンペーンによる意識啓発
小中高校生向けチラシや出前講座での防犯教育
自治会・PTAを中心とした自主防犯活動(地域パトロール等)
防犯灯や防犯カメラ設置による環境整備
特殊詐欺・暴力排除など市民に身近な犯罪への対応
この結果、市内の刑法犯認知件数は平成16年の9,519件をピークに減少を続け、令和2年には1,996件と約20%まで減少。特に、自転車盗の減少は刑法犯全体の抑制や青少年の非行防止に効果があると市は評価しています。
自主防犯活動の現状とコロナ禍の影響
川越市には約330の自主防犯活動団体があり、県内でトップクラスの規模です。しかし、新型コロナの影響で次のような変化がありました。
活動自粛・規模縮小:全体の約3割
感染対策を行い通常活動:全体の約7割
活動の主体は自治会や地域団体であり、活動縮小はそのまま地域防犯力の低下につながります。さらに、地域のつながりが弱まることで、これまで減少してきた犯罪が再び増える懸念も指摘されました。
一方で、自主防犯活動では対応が難しい犯罪もあります。
オレオレ詐欺など特殊詐欺
繁華街での悪質客引き行為
これらは個人の防犯意識に付け込む犯罪や、パトロールだけでは取り締まれない行為であるため、地域活動だけでは限界があります。
今後に向けた新たな防犯体制の必要性
私は質問の中で、次の課題を指摘しました。
自主防犯活動の高齢化・担い手不足
社会情勢の変化(コロナ禍・新生活様式)への対応
特殊詐欺など、従来想定していなかった犯罪への対策
市の答弁でも、これらに対応するために新たな防犯体制や連携強化が必要だとされました。具体的には次のような取組が考えられています。
学生ボランティアの育成や「ながらパトロール」の推進
地域団体と地元企業の連携による防犯活動強化
警察との一層の連携による繁華街・特殊詐欺対策
防犯活動を通じた地域コミュニティ力の向上
これにより、防犯活動を単なる「パトロール」にとどめず、地域全体の課題解決やつながりづくりにつなげていくことが期待されます。
まとめ
今回の一般質問を通じて、川越市の防犯対策は大きな成果を上げてきた一方、
地域活動の高齢化
コロナ禍による活動停滞
特殊詐欺など新たな犯罪の増加
といった課題が浮き彫りになりました。
地域の安全は行政や警察だけでなく、市民一人ひとりの参加と意識によって守られます。私は今後も、市民の皆さんと行政・警察をつなぐ架け橋となり、「誰もが安心して暮らせる川越」

を目指して取り組んでまいります。
Comentarios