令和4年9月 議会:下小坂地区の水害防止対策について質問しました
- 真史 倉嶋
- 8月2日
- 読了時間: 3分
この度は、令和4年9月に行われた川越市議会での私の一般質問について、その内容と市の回答をまとめました。下小坂地区の水害防止対策に焦点を当て、排水機場の現状や今後の見通しについて

お伝えします。
頻発する水害と排水機場の役割
近年、全国的に大規模な自然災害が増加しており、川越市でも豪雨による内水被害が頻発しています。特に下小坂地区では、大雨が降るたびに道路が冠水し、住民の皆さんが自宅から出られなくなるなどの被害が報告されています。
こうした内水被害を防ぐために重要な役割を果たすのが排水機場です。排水機場は、雨で増えた水をポンプで川に排水する施設です。私は、この排水機場の現状と今後の対策について、市に質問をしました。
川越市が管理する3つの排水機場
川越市には、以下の3つの排水機場があります。
天の川排水機場(下小坂地内):小畔川に排水
古川排水機場(府川地内):入間川に排水
古谷上排水機場(古谷上地内):入間川に排水
これらの排水機場は、それぞれ排水能力が異なります。特に、天の川排水機場と古川排水機場は、大雨時に常に2台あるポンプがフル稼働しており、備わっている排水能力の限界まで使われている状況です。古谷上排水機場は、降雨状況に応じて4台のポンプを使い分けています。
排水機場の課題と今後の対策
私は、排水機場の現状をさらに詳しく質問しました。
1. 自然排水とポンプ排水の併用
天の川排水機場では、川の水位が低い間は自然に排水し、逆流しそうになるとポンプで排水する仕組みになっています。私は、この**「自然排水」と「ポンプ排水」を併用することで排水量を増やせないか**と提案しました。
これに対し市は、ポンプ排水が自然排水の流れを阻害するおそれがあるため、現在の運用方法の見直しは困難であると回答しました。
2. 排水機場以外の水害対策
排水機場以外の対策として、市は「調節池の整備」や「学校貯留」などの流域対策を挙げました。しかし、調節池の整備には広大な用地が必要で、高額な費用もかかるため、現時点では見通しが立っていないとのことです。
また、下小坂地区の別の排水先を確保することや、排水ポンプ車を常時配備することについても質問しました。市は、地形的に新たな排水先の確保は難しく、排水ポンプ車については、今後の対策の進捗状況に応じて効果的な配備を検討していくと答えました。なお、大規模な水害が発生するおそれがある場合には、市が可搬式の排水ポンプを設置し、排水作業を行うことも回答されました。
施設の長寿命化と機能強化に向けて
排水機場の設備は、長期間使用されているものが多く、改修や更新が必要です。市は「川越市個別施設計画」に基づき、ポンプの更新などを進めていく方針を示しています。
この方針に対し、私は施設の長寿命化と合わせて機能強化も検討してほしいと要望しました。
市は、計画に基づいて施設を更新する際には、近年の大雨による道路冠水などの実情を踏まえ、ポンプの必要な能力を精査し、機能強化を検討していくと回答しました。
まとめ
この一般質問では、下小坂地区の水害対策として、排水機場の現状と課題が明らかになりました。排水機場の能力が限界に達していることや、自然排水とポンプ排水の併用が難しいことなど、短期的な解決策が困難な状況が示されました。
しかし、市は施設の更新時に機能強化を検討する意向を示しており、長期的な視点での対策を進めていく姿勢がうかがえます。住民の皆さんが安心して暮らせるまちづくりのため、市と住民が連携し、できることから対策を講じていくことが重要です。
今後、市がどのような具体的な計画を立て、対策を進めていくのか注目していきます。
コメント